建築士であるご主人は自邸を建てるにあたって、デザイン・プラン・ディテールにこだわりを持たれており、どこにいてもご家族のつながりを感じられることをコンセプトとした、若夫婦と子どもが暮らす、総2階建てのコンパクトハウスを望まれました。外観はガルバリウム鋼板と木材で構成した無機質と有機的な素材を組み合わせたキューブ形状とし、ディテールにこだわることでシンプルでありながらも目を引く印象的なデザインに仕上げました。正面の大きな窓の前には、奥行2mほどの余白の空間(ウッドデッキ部分)と植栽スペースを配置することで、夏の日差しはカットし、冬の日差しは室内に採り込むといった環境面にも配慮したデザインとしました。1階にLDKと畳コーナーを配置し、床レベルや天井高さ、素材を各空間に合わせて変えることで、それぞれに居心地の良さを生み出しています。例えば、リビングは他の空間より一段下がったピットリビングとしながらも配置上、奥まった空間として天井と壁に木材を採用し、間接照明を用いることでやさしく包み込まれるような居心地のいい空間を創出しました。ダイニングは上部を吹き抜けとすることでリビングと対照的に気積が大きく明るい空間としながらも植栽のある庭に面して配置することで、大きな窓から木漏れ日が差し込むオープンカフェのような気持ちのいい空間を目指しました。また、2階には吹き抜けを介してLDKとつながり、ご家族の気配を感じられるオープンでささやかな書斎コーナーを設けました。それぞれの空間に居心地の良さがあり、気分によって過ごしたい空間を選びながら気持ちよく暮らすことができる「つながりを感じられる家」が完成しました。