大阪市内の住宅密集地での計画です。施主様からの要望は印象的なファサードと狭小間口ながらも確固たる想いが詰まった空間の構成、そして多忙な日常から隔離されるような上質な空間でした。ファサードはシンプルな箱型の構成としながらも、袖壁と庇を十分にせり出すことで躯体ラインを強調しました。また、袖壁と庇の奥にあるタイル壁に視線を誘導し、品格ある佇まいを演出しています。そして、外装のベースカラーを紫紺のような暗色にすることで、ファサードの存在感をより強調し、ファサードを構成している杢調水平ルーバーを葦で作った「葦簀(よしず)」のように掛け、モダンなファサードに上質さを一層印象付けました。内部は、2階と3階の間仕切り壁を最小限に抑え、吹抜け、大開口でつながるバルコニーを設けることで、十分な光を取り込める開放的な住空間を計画しました。さらに、バルコニーの壁面を高く設計することで、プライバシーが確保されたアウトドアリビングとなり、都市の中でもくつろぎを感じることができるよう配慮しました。印象的なファサードと広々とした住空間、そしてプライバシー性の高さが魅力の住まいが完成しました。
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