「玄関の位置は東側では…」初めてご夫婦にプレゼンをしたとき、そうつぶやかれました。計画地は、2方向隣地に囲まれた高低差がある角地で、敷地形状をできるだけ変えないように計画することが、ベストであることをご説明のもと、家づくりがはじまりました。ご家族とは会うたびに距離が縮まり、いくつもの対話をしながら家づくりを進めていく中で「おまかせします」というありがたい言葉をいただきました。ライフスタイル・家具・カーテンなど、さまざまな提案とともに、ご夫婦のご要望である「風と光を取り入れた開放的な空間」をどのように操作するかが、今回の家づくりにおいて、設計者とご夫婦の大きなテーマでした。そこで、南側の窓の位置は、隣地建物の屋根形状を上手く利用し、室内へ光りと風をできるだけ取り込む工夫しました。また、1階・2階の天井高を極端に変えることで、感覚的により高さを感じ、眺望を室内に取込むことで、視覚的に広がりのある空間を生み出しました。開放的な空間が、家族と招かれた人たちを穏やかに包み込み、安らぎを与えることでしょう。