敷地は、閑静な住宅街にあり、南面の道路以外の3方に建物がゆとりを持って建つという一般的な条件でした。また、この敷地は非常に恵まれた広さを持っており、敷地の奥に行くほど間口が広がっていくという特徴的な形です。沖縄の自然をこよなく愛するご夫婦は、この恵まれた広さを生かしながら、生活のしやすさとデザイン、そして自然を感じる事が出来る家を望まれました。まず、ご家族が望まれる各諸室のボリュームを光、風、方位に配慮しながらゾーニングし、その中で、一番敷地を生かしながら生活がしやすい配置を導き出しました。その結果、プライベートな家族だけの庭を囲む平屋に近い構成が、ご家族にとって一番望まれる形であると考えました。家族だけの庭を各諸室が囲む事により、この庭を介してどこにいても光、風、自然を享受することができ、いつも家族の気配を感じる事ができます。その空間に入ると、ご家族だけのゆったりとした時間が流れているような、沖縄の長閑な町に建つようなそんな「優しい時を過ごせる家」となりました。