テクノロジーのこと | 2017.06.14 家づくりにおいて、人が重要視することは何でしょうか。それは時代によって変化してきました。例えば、約700年以上前に書かれた吉田兼好の「徒然草/第五十五段」の有名な一文では「家の作りやうは、夏をむねとすべし」と記されています。約150年前のナイチンゲールの「看護覚書」では「住居で重要なことは新鮮な空気・陽光・清潔・暖かさである」と記されています。それでは、エアコンが普及した現代は、どのように考えればいいのでしょう。最近の調査では「夏の涼しさよりも冬の暖かさを重視する」という回答が多くなっているようです。夏は冷房である程度の快適性が得られるようになりましたが、冬の寒さ対策はまだまだと考える傾向があるようです。そこで多くの人が気にされている「冬の3大不満」とも言える「乾燥・光熱費・非暖房室の寒さ」について、家づくりの際に検討すべき点や対策を少しお話しいたします。1.乾燥冬の乾燥には加湿器が大活躍しますね。しかし、加湿器に頼りすぎると壁の表面や内部に結露が発生し、腐朽やシロアリ、カビ、ダニが発生しやすくなってしまいます。空気の温度が上がれば上がるほど湿度は下がるので、家の断熱性を高めることやエアコンの温度設定を低く抑えることで結露対策ができます。高温の空気を出さない床暖房の採用も効果的です。2.光熱費光熱費は暖房の他に、給湯の占める割合も大きいことはご存知でしたか?そのため、給湯器の検討も実は重要となります。暖房については、特に24時間換気の種類に気を付けましょう。普通の換気であれば、せっかく温めた室内に冷たい外気がそのまま入ってきますので、熱交換型の換気システムの採用が効果的です。3.非暖房室の寒さ非暖房室の寒さ対策には、建物の気密性能を上げることが効果的です。それでは、何を気にすればいいのでしょうか。外皮性能と言われるもので、特に窓や断熱材の種類によって大きく変わってきます。これは年間約1万4千人が亡くなられている(交通事故死の約2倍)ヒートショックの直接原因になるところでもありますので、十分な検討が必要になります。最後にこのように、家づくりの際はこれらの不満を解消するような性能を是非ご検討ください。当社では先程ご紹介しました熱交換型換気システムを標準採用するなど、3大不満の解消に適した性能をご用意していますので、安心して家づくりを進めることができます。 今、多くの人が冬の寒さ対策を重視している傾向にあります。しかし、そればかりを重視して家づくりを進めることもよくありません。その他にも様々な情報から少しずつ知識を蓄えていき、取捨選択をしながら自分らしい家づくりを目指すことが大切です。