テクノロジーのこと | 2020.03.11 家づくりをご検討される中で「金物工法」という言葉を耳にされたことはありますか。木造住宅の工法の一種で「金物工法=地震に強い」と思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。今回は、当社でも採用している「金物工法」(NK工法・SE構法など)と、木造住宅で一般的に採用されている「在来仕口」の違いについてと、「金物工法=地震に強い」と言われる理由をご紹介します。在来仕口の弱点とは建物を地震に対して強くするには、単純に壁や柱を増やすことで耐震性を確保できます。しかし、その反面で壁や柱の多さによって「思い描いていた間取りが実現できない」、「柱や壁があることで狭苦しさを感じる、使い辛い空間になってしまった」といったことにつながります。せっかく注文住宅で家を建てるというのに、どちらかを優先しなければならないなんて嫌ですし、当然、耐震性も間取りも両立したいですよね。過去に発生した大震災から地震における木造住宅の倒壊の原因は、柱や梁の接合部の破損や抜け落ちたことによるものと言われています。なぜ、接合部の破損や抜け落ちることが起きるかといいますと、地震によって建物が揺れ、建物全体に捻れる力が発生し、柱や梁を介してその力が建物の接合部に集中するためです。在来仕口では、柱と梁の一部を切り欠き接合しています。接合部は本来の柱や梁よりも弱くなっており、力が加わった際に破損や抜け落ちやすい状態になっています。これが在来仕口の弱点となり、地震が起きると、柱や梁が倒れる前に接合部が壊れたり、抜け落ちたりしてバランスを失い、倒壊してしまう原因となります。そのため、一般的には壁を増やすことで家自体を揺れにくくし、地震に強い状態にする手法が多く用いられています。耐震性と自由度を両立できる金物工法壁で揺れにくくすることはもちろん大切ですが、接合部を強化し倒壊を防ぐという考え方もあります。それが金物工法です。金物工法では在来仕口よりも柱や梁の欠損が約1/4程度に抑えられ、さらに接合部を特殊な金物で補強するため、高い強度の接合部をつくることができます。そのため、金物工法は在来仕口よりも接合部の強度が約1.5倍あると言われており、壁に頼らなくても耐震性を確保できる工法なのです。また、接合部を強くすることで在来仕口よりも大きな荷重を受けることができるため、 柱のない広い空間を安全につくることができるというのも金物工法の特徴です。そのため、耐震性を担保しながら自由な空間構成ができる工法として、当社でも採用しています。さらに、全棟で構造計算を実施し、その強さや安全性を数値で証明しています。家の工法について詳しく知る機会は少ないかもしれませんが、安心・安全な建物、空間をつくるためにも、家の工法は大切なポイントです。皆様の家づくりでも参考にしていただければと思います。