お金のこと | 2019.08.22 家づくりを考え始めたら、まず何から決めていけば良いと思いますか。その答えは「今回の家づくりで総額いくらの予算を設定するか」です。ここでは家づくりをはじめる上で肝心な予算についてお話しします。家づくりの総額予算とは家づくりの総額予算とは、土地や建物だけでなく、登記などの諸費用、外構などの付帯工事、家具や家電の購入費用なども含んだ金額を指します。この予算を決めて、次に建物の広さや性能、グレード、仕様など、家そのものに関することを決めます。それらがいくら必要かを確認し、総予算から希望の家を建てるための建物費用、その家を建てるために必要となる諸費用や付帯工事、家具などの購入予算を差し引いて、残った金額が土地にかけることができる予算です。これが正しい家づくりの公式です。総予算 - 建物予算 = 土地予算※建物予算の中に諸費用や付帯工事、家具などの購入費も含みます。この順番を守らなければ、建物で予算を調整することになり、往々にして性能が犠牲になったり、部屋の広さや設備・仕様を我慢したりという事態に陥ります。これが家を建てた後に後悔する典型的なパターンで、「安かろう悪かろう」の家づくりになってしまうのです。先に土地を購入すると、家づくりの総額予算が土地購入費用に左右されてしまい、建物の性能などにしわ寄せが及ぶことになります。家づくりは「まずは土地から」という方が多いですが、後悔しないためにも今一度家づくりの順番を考えていただければと思います。土地にいくら、建物にいくらという考えは後回しにして、まずは今回の家づくりに総額いくらの予算をかけるのかを割り出してみましょう。家づくりの総額予算を割り出す方法どうやって家づくりの総額予算を割り出せば良いか。まずは自己資金の確定です。そのために次の2つを確認しましょう。(1)貯蓄のうち、いくら頭金に使えるか(2)親や祖父母からの援助の有無次に借入額を決定します。無理のない毎月の返済額はいくらか、ボーナス併用払いを利用するかなどをご検討ください。ボーナス併用払いは支給が安定しないなどの理由で利用しない方も多いですが、例えば、ボーナス時に5万円プラスして返済するというだけで、借入可能額が300万円ほど伸びたりするため、慎重な検討が必要です。そして、銀行で住宅ローンの事前審査を受けます。借入額は審査後に増額することが難しいため、迷いがある場合は多めに申し込むことをお勧めします。事前審査は本来、購入する土地と建物の金額が決まった段階で受けるものですが、仮の候補地と概算の資金計画でも受け付けてもらえるため、早い段階で受けておきましょう。自己資金と借入額が概ね決まったら、今回の家づくりにかけることができる総額を割り出すことができます。そして、総額が決まったら、次は建物予算の決定です。皆さまの夢の住まい、デザインや性能を満たした家の資金計画を建築会社に提案してもらいましょう。付帯工事や諸費用など必要な資金をすべて盛り込んだ建物予算を把握できたら、土地購入にかける予算がようやく見えてきます。土地を優先する場合前述の公式を守って家づくりを進めることをお勧めしますが、土地の希望条件もあるかと思います。そのため、土地を優先するか建物を優先するかの意思決定も必要です。土地を優先する場合は、ローコスト住宅の選択や、建物の大きさやグレードを妥協する必要が出てくる可能性があります。しかし、住み心地やランニングコストを考えると性能のグレードダウンだけはあまりお勧めできません。何よりも土地を先に購入してしまったことで、妥協とストレスを抱えた家づくりになってしまっては、せっかくの家づくりの楽しみが味わえません。限られた予算とはいえ、住宅購入は大きな買い物です。ぜひ、理想の家づくりを楽しんでいただきたく思います。