お金のこと | 2014.05.26 最近、二世帯住宅を考える人が増えてきました。以前は土地が高騰し、若い世帯がマイホームを手に入れるのが難しくなったことが背景にあり、その後、女性の社会進出や共働き世帯の増加や親世帯の高齢化が進み、定年後の生活が長くなってきた中での二世帯住宅の要望がありましたが、今は家族と一緒にいる大切さが見直されてきているように思います。子ども(孫)たちが多くの大人の目で見守られていることが、子どもたちの成長に大切だと考える人が増えてきているようです。最近は、サザエさんのマスオ(娘婿夫婦)さん同居も増えています。子世帯は、家事や育児を元気な親世帯に手伝ってもらいたい。親世帯は、いざというときの安心感が欲しい等、お互いの二世帯住宅に対する考え方が変わってきています。また、以前はほとんどの設備が共有でしたが、今はお互いのプライバシーを守りながら、設備はそれぞれの世帯で別々にあり、玄関もそれぞれあります。室内で一箇所、扉で繋がっている間取りが多かったのですが、最近は一切室内では繋がっていない二世帯住宅も増えてきています。中庭など一度外に出なければ親世帯に行けない間取りの希望もあります。二世帯住宅は建てる時に玄関を二つにするなど、全く孤立した構造にして区分登記すれば、不動産取得税の減税をそれぞれ二件として受けることができます。また、これと同じことは固定資産税にも言えます。新築住宅に係る固定資産税の軽減を二件受けられると一回だけの他の税金に比べて累積での軽減になるので、かなりの減税を見込めます。相続税対策に?今まで庶民には無縁だった相続税が2015年から基礎控除額を4割削減されるために、相続税の対象者が大幅に増えると予想されます。例えば、4人家族で父親が亡くなった場合、2014年までなら基礎控除額は、5000万+1000万x3人(法定相続人)=8000万までの相続資産なら無税でしたが、2015年以降の基礎控除額は、3000万+600万x3人=4800万に下がり、それ以上の相続資産がある場合、相続税が課されます。土地を相続する準備個人の資産の中で大部分を占めるのは土地です。国税庁の発表によると、2012年度に発生した相続の内、課税対象になる相続財産の約46%を「土地」が占めています。今後、基礎控除額が下がることを考えると、土地という高額な資産を相続する際には、前もってその準備をしておくことが大切になってきます。そして「二世帯住宅」が、その準備になる場合があります。土地評価額を8割減等にする特例相続時に評価する資産のうち評価が軽減できるのが土地評価だけです。相続財産の中でも高額になりやすい土地の評価額を抑えることができれば、相続税の軽減につながります。その土地の評価額を8割減等にする制度があります。「小規模宅地等の特例」です。相続税の「小規模宅地等の特例」のうち、土地の評価額が240㎡まで(※)が8割減となる「特例居住用宅地等」の要件の内、二世帯住宅に関係が深い要件があります。※特定事業用宅地等などとの組み合わせの場合、面積要件が変動します。なお2015年1月1日以降は330㎡までとなります。※「土地を相続するのが別居親族の場合」等、その他の適用要件もありますが、詳しくは国税庁ウェブサイトをご参照ください。上記の「小規模宅地等の特例」が適用された場合、土地の評価額は80%減額されます。ただし、適用条件に「同居していた」ことと「相続後も継続して居住している」ことが条件になっている点がポイントで、「同居」と「継続居住」。この二つの条件は、二世帯住宅であれば、どちらもクリアしやすい条件です。節税対策に二世帯住宅を考えてみてはいかがでしょうか。