お金のこと | 2013.03.10 2014年4月に、消費税が5%から8%に上がると同時に、住宅ローン減税が拡充されることが決まりました。消費税増税による負担が増える分を減税により負担を補うことで、住宅の駆け込みと反動の山谷をなだらかにすることが目的です。そこで「消費税8%と住宅ローン減税拡充のどちらがお得?」ということを検証してみたいと思います。まず、普通に考えれば、消費税が低い時に買った方が良いに決まっています。しかし、ポイントとなるのは「土地には消費税が掛からない」ということです。つまり建物にしか消費税が掛からないということになると、土地の値段は増税前も後も変わらないということになります。一方、所得税から控除される住宅ローン減税(年末のローン残高の1%×10年間)は、借入額が大きければ大きいほど、今回の拡充メリットを享受することができます。現行の制度では、一般住宅の最大控除額は10年間で200万円(年間20万円)です。長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けている場合は、10年間で最大300万円です。それが、今回の税制改正では借入の多いケースにはメリットが倍になり、一般住宅の最大控除額は400万円、長期優良住宅等はプラス100万円の500万円となります。また、今までは所得税等(+住民税の一部)を払った金額以上は控除されませんでしたが、今回は所得税等が最大控除額まで行かない場合は、現金給付ということになりそうです。つまり年収が低い場合でも、控除額のマックスまでメリットが享受できるような仕組みに変わります。◎借入額が2000万円~3000万円以下の場合(建替の方等)今借りても、拡充後に借りても減税拡充のメリットはありません。つまり、消費税5%のうち(2013年9月までに契約でも可能)に買った方がお得ということになります。◎借入金が約4000万円以上の場合(土地が高くて借入が多い等)消費税8%時(ローン減税拡充後)の方がお得になりそうです。仮に4,000万円(土地2,000万+建物2,000万)借りて、10年間で1000万円を返済したとして、10年間平均の年末ローン残高を3500万円とします。 現行のローン減税では200万円(長期優良住宅等で300万)が最大ですが、拡充後は10年間で350万円(最大500万)となり、控除額が150万円増えることになります。消費増税による負担増が60万円(2,000万×3%UP)になり、150万-60万=90万円ほどローン減税拡充後の方がお得ということです。但し、消費税とローン減税だけを比較した場合です。実際はその間の金利・物価・地価が動きます。この1~2年で計画を進めようと思われている方は、2013年9月末までに資金計画を立てられる方が良いと思います。