間取り・住まい方 | 2016.06.15 マイホームとは、施主様の夢や希望の具現化であり、それは法規的・経済的・町並み等、様々な社会的要因に規制されます。一方で外観やプランに施主様の趣味や嗜好が現れます。究極的には、住み手がマイホームとは「自分にとって、どういうものである」と考えているかという住宅観、ひいては人生観の現れとなります。当社の建てる家は個性的だと良く言われますが、それはそれぞれの家に施主様の個性が外観やプランに反映されているからかもしれません。住宅における個性の実現とは、住み手の一人一人が「ここが私の場所だ」と心の底から感じられるような空間をつくり出すことに尽きると考えます。今、住まいのあり方は変化しています。住宅の均一化による個性の見えない家。大家族の家父長制家族が崩壊し、あたりまえになった核家族。結婚を選択しない男性や女性など、独身単身者の増加による単家族化。今後もますます情報社会が進み、個人化した生活を求めて、住まいのあり方が激変していくと思われます。そこでイマドキの家づくりや住まい方について少しご紹介します。イマドキのLDK20年程前まではリビング階段のプランがほとんどなかったのですが、今はリビング階段を希望される方が多くなってきています。また、子どもが勉強する場所も変わってきています。昔は、LDKに家族が集まるのは食事の時だけで、その後はそれぞれの個室に戻ってそれぞれの時間を過ごす、そんな家族の住まい方がほとんどでした。しかし今は、家族みんなが同じスペースに集い、それぞれ好きなことをする、家族の気配の感じるLDKプランが多くなっています。例えば、キッチンの近くにスタディスペースを設けることで、キッチンでお母さんが晩御飯の支度をしている横で子どもたちが宿題をします。分からないことがあれば、すぐにお母さんに聞いたり、学校であった出来事を話したりと、家族のコミュニケーションをより育むことができます。有名中学に合格した子どもは、子ども部屋があるにも関わらず、お母さんがいるリビングで勉強していると言われています。賢い子どもが育つためにも家族のコミュニケーションは重要なようです。子どもとの時間を楽しめる、勉強が楽しくなるような子どもにやさしいリビングやダイニング環境を整えたり、お母さんが料理をしながら子どもに目が届く間取りを考えたり、家族で一緒にモノづくりができるテーブルを作ったり、テレビと趣味などを飾った棚を一体にして、子どもの好奇心を持たせて、本などを飾り、読書の習慣を自主的に育てるなど、ちょっとした工夫で、子どもの協調性や社会性も育まれていくと思います。イマドキのキッチンスタイル20年程前までは、壁に向かってキッチンを備えて、よく背面にハッチ型のカウンター、もしくは、両面から使える食器棚を設けるスタイルが主流でした。最近のキッチンスタイルのほとんどは、ダイニングやリビングに対してオープンな対面型です。腰壁を付けてキッチンの手元を隠すか、フルオープンにするかの二者択一に近くなっています。別の選択肢があるとすれば、コンロからの油飛びを気にされて、コンロ前に壁やガラススクリーンを設けるということがたまにあるくらいで、昔のような独立型のキッチンを希望する方は少なくなりました。また、食器は市販の家具や食器棚に終わず、キッチンの背面に引き戸で隠せるようにして、その中に設置した可動棚等で片づける方が多くなってきました。現在は、昔のように「台所には奥さまだけが入って料理をする」という概念はなく、ご主人もキッチンに立つというケースが増えてきています。今や死語になりつつある「男子厨房に入らず」というのは、昔の日本男子の意気込みのようなものでした。「男が外で一生懸命働いて、家族を食べさせているのだからそのうえ、家事まで負担させられてたまるものか」という考えです。ご主人がキッチンに入る頻度はそれぞれの家族によってさまざまです。しかし、ご主人や子どもたちが多かれ少なかれキッチンに立つ時代になり、その傾向が望ましいと思うのであれば、キッチンは従来より家族全員にとって開かれた場所=オープンキッチンになるべきだと思います。イマドキの子ども部屋スタイル近年、子ども部屋へのご要望が変わってきました。20年程前までは、子ども部屋の扉に鍵を付けるか、テレビの配線を付けるか等を話し合ってきました。しかし、近年では、ふたつの子ども部屋を最初から間仕切って個室にするか、将来的に間仕切れるようにするか、扉を付けるかなどを話し合います。子ども部屋で選択されることが多くなっているのは、たとえ異性の兄弟姉妹であっても、最初からふたつの子ども部屋に間仕切りを設けず、一室で計画するケースです。最近は扉がないプランもよくご提案します。子どもが成長し、個室が必要となったときに間仕切りをつくり、子どもたちのプライバシーも守れるようにするが、広さは最小面積に抑えて、寝るだけの部屋になってほしい。そして、勉強や遊びはリビングなど家族の共用空間で行ってほしいという意向をお持ちの方が増えてきているからでしょう。イマドキの網戸スタイル近年、蚊が媒介となる「デング熱」や「ジカ熱」がメディアで大きく取り上げられました。昭和中頃までは虫除け対策として、「蚊帳(かや)」が夏の夜に活躍していましたが、最近は蚊帳を知らない子どもたちがほとんどではないでしょうか。エアコンが普及した現代は、窓を開けることも少なくなり、蚊取線香のない家が増えてきているとも言われています。その中で、網戸がどんどん進化しているのをご存知でしょうか。新築で家を建てる際、開けることができる窓にはほぼ全てに網戸が付きます。窓を開けて自然の風を入れることでエアコンを使わず、電気代の節約にもつながります。最近では、素材や製法の進化により、従来にない新しい性能のある網戸が誕生し、場所に合わせて網戸を選ぶ時代になってきています。そこでいくつか今の網戸をご紹介します。◇目の細かい網戸、より小さな虫も通さない一般的な網戸の目の大きさは1.15ミリですが、それより細かい0.67ミリの網戸です。細い糸を使用しているので風通しは変わりません。◇花粉やほこりを通さない網戸従来よりも1/160細微な網目で花粉やほこりの侵入を80%カットします。雨水も通しにくいので、雨の日も窓を開けることが可能です。◇外からの視線を遮る網戸外側が銀色、内側は黒色の構造になっていて、外からの視線を遮り、内側からは屋外を視察し易くなっています。◇熱と紫外線を反射する網戸夏は虫だけでなく太陽の日差しも気になります。その日差し(熱と紫外線)をカットし、室内温度を7度下げることができ、紫外線も69%カットできます。