間取り・住まい方 | 2018.11.14 家づくりの計画を始めるとき、まずはどのような建物に住みたいか、どのような間取りにしたいかを考える方が多いのではないでしょうか。シンプルに、お洒落に、使いやすく、明るく快適に、間取りや住まいのことを考えるとさまざまな夢が膨らみ、とても楽しいことで、悩ましくもあります。ご自身だけでは分からないことも多くあり、日々頭を抱えている方もいらっしゃることでしょう。しかし、ご安心ください。皆様に寄り添ってくれる素敵な設計士にめぐり逢えたらそんな悩みもきっと解決するはずです。設計士に必ず伝えてほしいこと理想を叶えてくれそうな設計士に出会えたときは、皆様から設計士に事前に伝えてほしいことがあります。それは「収納」についてです。現在の生活で収納がどのような状況になっているか、どのような物が片付かずに散らかっているか、捨てることができる物とできない物は何かなどです。「断捨離をすればいい」と簡単に言うことはできますが、実際に実現させることはなかなか難しいですね。そこで大事になってくるのが収納計画です。はじめに、新居の間取りを考えると同時に、ライフスタイルにしっくりと馴染むよう、家具の配置も計画しましょう。私たちの日常は、何もないガランとした部屋で暮らすのではなく、家具や家電を使いながら暮らすわけですから、設計を依頼する際には日常の暮らしをきちんと伝えて、それらが反映されたプランを描いてもらいましょう。ソファやテーブル、テレビやピアノなどの大型品から電話やパソコンなどの細かな物まで、どこで何をするのか、どんな方向に何が見えるのかといったことも含めて、日常生活をイメージしながらプランの打合せを進めるようにします。設計段階からイメージをしていくことで完成直後はもちろん、お住まいになってからも時間の経過とともに満足度がきっと増していくことでしょう。具体的な収納のコツ「収納」は物を出して使うためにあり、仕舞い込むためではありません。こちらの認識を誤ってしまうと、返って将来使い辛い住まいとなる可能性があります。また、あまりあちこちに収納を分散させると、片づけをすることが面倒になってしまう恐れがあります。図面や現場で隙間を見つけては「スペースを有効に」と収納を作りたくなるお気持ちもよく分かりますが、使い勝手の良くない収納をたくさん作ると不要な物が増えてしまう原因になりかねません。結局、収納を増やせば増やすほど、そこに入るだけの物でいっぱいになり、開かずの収納ができる恐れがあります。適材適所の収納を計画し、不要な物を整理しながら生活することが正しい収納術だと言われています。あると便利な収納スペース近年、コンパクトな住宅が注目される中、造作収納の工夫にも注目が集まっています。お洒落な家具を買い揃えるのも楽しみの一つですが、空間に限りがあるからこそ、無駄なくサイズに合わせて作ることができる家具や収納が求められています。例えば、小上がりのスペースの床下に引き出しを付ける収納があります。床下を利用するため、奥行きがあり結構な容量の収納を設けることができます。さらに、壁の厚みを利用した小物収納を洗面やトイレに、階段脇の廊下に本棚や飾り棚を設置することもできます。現在ではスタンダードになっている納戸やウォークインクロゼットなどを設け、季節物の収納場所を確保することも工夫の一つです。最近では家族で共有するファミリークロゼットを設けたいというご要望が増えています。こちらは家事動線を考慮したもので、各個室に畳んだ洗濯物を運ぶ手間を省き、個室の収納を抑えたプランニングができます。このように収納の工夫には考え方のもとになる利用価値や頻度・動線など、現在の生活から改善したいことがはっきりと反映されることがとても重要です。家づくりはとても大きな買い物です。後悔しない家づくりのためにもご参考いただければ幸いです。