お金のこと | 2017.09.01 クレジットカードは非常に便利なモノで、現代社会では必需品とも言えます。皆様も最低1枚はクレジットカードをお持ちではないでしょうか。クレジットカードを保有されている方で、住宅購入のために、これから住宅ローンを検討されるという皆様、クレジットカードの管理は大丈夫ですか?前回はクレジットカードでキャッシング利用後、支払いに遅滞があったケースのお話しをしましたが、今回はキャッシングを利用していないにも関わらず、住宅ローンの借入額が減額されてしまうケースをお話しさせていただきます。> 前回のコラム[キャッシング利用で住宅ローンが通らない!?]を読む借入金額への影響はどのくらい?通常、クレジットカードでは「カード利用枠(ショッピング)」と「キャッシング利用枠」が設定できます。キャッシング利用枠を設定している場合、住宅ローン審査時に、キャッシング利用枠の上限金額分を月々の返済額に加算して考慮されます。つまり、このキャッシング利用枠の上限金額が多ければ多いほど、借入できる額がマイナスになってしまうのです。具体的にどういうことなのかをご説明します。細かな計算式は省略しますが、例えば、年収400万円の方が住宅ローンを組む場合で、借入期間は35年、審査金利は4%とした場合の違いを表したものが下表です。 キャッシング利用枠上限金額(複数枚所有の場合は累計額)借入可能最大額ケース(1)キャッシング利用枠の設定なし約2,630万円ケース(2)50万円未満約2,550万円ケース(3)100万円未満約2,470万円 上表のケース(1)とケース(3)では、160万円も差が出ています。クレジットカードの種類にも依りますが、キャッシング利用枠は10~40万円で初期設定されているものが多い傾向にあります。クレジットカードを複数枚保有されている方は「知らぬ間に50万円を超えていた」ということがあるかもしれません。住宅ローン審査の前にできることキャッシング利用枠の怖さは、実際にお金を借りているわけではないのに、金融機関からは「お金を借りている人」と見なされてしまうことです。そのため、これから住宅ローンを検討される皆様の中で、複数のクレジットカードを保有されている方は「使う予定のない不要なクレジットカードを解約する」、「キャッシング利用枠を減額又は廃止の相談・手続きを行う」ことの検討をお勧めいたします。そして、ここで一点、ご注意いただきたいことがあります。それは各手続きの際、カード会社から届く書類をお手元で大切に保管いただくことです。クレジットカードの解約を行った場合解約証明書キャッシング利用枠の減額、廃止を行った場合減額及び廃止の内容が分かる書類 上表の書類が必要な理由として、各手続きを完了したとしても「CIC(賃貸業法指定信用情報機関)」などの個人信用情報にはすぐに反映されず、クレジットカードを最後に利用した日もしくは解約した日から5年間は情報が保存されるためです。そのため、住宅ローン審査時に上記書類を添付することで、銀行に対して各手続きを行ったことを証明することが大切なのです。最後にご年収の4~6倍程度までの借入計画であれば、キャッシング利用枠はあまり気になさらなくても良いかと思います。6倍以上でお考えの場合は、キャッシング利用枠の累計額も念頭に入れながら、住宅ローン選びを行う必要があるかもしれません。また、車のローン等、その他の借入がある場合も審査時に加味されますので注意が必要です。住宅ローンに対して不安をお持ちの方は、些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。