お金のこと | 2017.05.01 最近は、ご自身で熱心に住宅ローンのことを調べていらっしゃるお客様も多く、ネット銀行のお話しもよく話題になります。住宅ローンのお話しをするとき、当社が提携している銀行を紹介させていただきますが、「他の銀行でも良いでしょうか」と相談いただくこともあります。その際は「大丈夫です」とお答えはするものの、ネット銀行の場合は、お客様ご自身でほぼすべての手続きを行っていただく必要がありますので、手続きに不安をお持ちの方もいらっしゃると思いますし、何より大変ではないだろうかと心配になります。ネット銀行のウェブサイトを見ると低金利がデカデカと宣伝されています。どこの都市銀行と比較しても金利が低いので、同じ住宅ローンを組むのであれば、当然一番安い金利のところで住宅ローンを借りたいと思うのが当然の心理です。しかし、本当にネット銀行はおトクなのでしょうか。そこで具体的に計算と比較をしてみたいと思います。住宅ローン金利による支払額の差まずは「住宅ローン金利による支払額の差」です。2017年4月の時点では、大手都市銀行の住宅ローン金利は変動金利で優遇を受けると[0.775%]でした。ネット銀行の金利は同じく変動金利で優遇を受けると[0.65%]です。分かりやすくするため、[3000万円の借り入れで35年返済]で計算してみると返済金額は下記表のとおりとなります。 大手都市銀行ネット銀行 金利 (※変動金利で優遇有)0.775%0.65% 月間返済額81,576円79,880円 年間返済額 (合計)978,912円958,560円 1年間では20,352円の差が出ます。この差が35年間続くと712,320円の差です。これだけの差がつくのであれば、当然、ネット銀行の方がおトクだと考えてしまいそうですが、住宅ローンの違いは金利だけではありません。手数料と保証料の大きな違い次は「手数料と保証料の大きな違い」です。先程と同じ条件[借入金額3000万円で35年返済]での手数料と保証料は下記表のとおりです。 大手都市銀行ネット銀行 手数料32,400円648,000円 保証料618,600円0円※都市銀行の場合、借入額に関わらず手数料は同額です。 ※上記数値はあくまでも仮定に基づく試算ですので、実際は金融機関に必ずご確認ください。ネット銀行と都市銀行の手数料と保証料の合計差額は3,000円となり、そんなに大きな差はありません。しかし、保証料と手数料は実は全く性質の違うものなのです。手数料は、一度払うと返ってくることはありません。逆に保証料の場合は、繰上げ返済をするとその金額に見合った分の保証料が返還されます。ここが大きく違います。また、保証料の場合は、金利に組み込む(月々の返済に含む)ことにより、初期費用を抑えるメニューも選択可能です。ここも大きなポイントです。検証結果検証して感じたことは、ネット銀行は金利を抑える代わりに、返さなくてもいい手数料を高くとり、将来得られるべき金利を先取りしているのだと考えられます。そういう意味では都市銀行よりも儲けているように思えてしまいますね。また、金利だけでなく「団体信用生命保険」「8大疾病」や「火災保険」の違いもあるようですが、保険については支払われる時期や支払われる条件が全く同一ではありませんので、どちらがおトクであるとは一概に判断はできません。私の感覚では、保険に関しては、ネット銀行の方がやや有利なように感じますが、将来得られるべき金利を先取りしていると考えれば、それぐらいはと思います。さらに、都市銀行には窓口業務がありますが、ネット銀行にはありません。私も電化製品はネットで買うことが多いですが、分からないことを実際に聞ける点や保証に関して言えば、やはり店舗型の方が安心感はあります。ネット通販は、その安心と引き換えに値段の安いメリットを享受していますので、そこは割り切っていますが、都市銀行とネット銀行の違いもよく似たものがあるのかもしれません。住宅ローンの選択は目先の金利だけではなく、トータルでしっかりと検証していく必要があります。当社でも住宅ローンのご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。