400年以上前に整備された、かつての賑わいを感じさせる指標を現代に残している街道沿いの一角にある、南北に奥深い敷地での計画です。アクティブで多忙なご家族のご要望は、家族みんながストレスなく、楽しめる住まいでした。東西方向の間口より南北方向の奥行きの方が長い敷地では、東西の視線、採光や通風の工夫が必要となります。そのため、かつてこの街道沿いに数多く建ち並んでいたであろう町家建築のように、敷地中央に光庭を設けて、光と風、視線を操作する住まいを計画しました。光庭を囲むように水まわり、ダイニング、リビングをゾーニングし、光庭に対峙するようにダイニングキッチン、その奥にサニタリー空間、ワークスペース、ファミリークロゼットといったサービス部分を集結した平屋のような間取りにすることで、リビングの採光を確保しました。リビングは光庭に面して大窓と吹き抜けを設けることで、南側から多くの光を採り込めるようにしました。さらに、吹き抜け上部には読書やピアノ、ゲームなどが楽しめるセカンドリビングのようなサロンスペースを配置しました。光庭によって、奥行きのある敷地を十分に活かし、家族がお互いに交わりながら、楽しめる住まい「気配交わる光庭の家」として完成しました。