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住まいのコラム

意外と知られていない強風に備える「耐風等級」

テクノロジーのこと | 2020.10.24

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皆さまは家づくりをされる際にどんなところで建物が安全か判断されますか。ほとんどの方は耐震性を特に重要と考えている方が多いのではないでしょうか。

確かに日本は地震大国のため耐震性はとても重要です。しかし、台風大国でもあります。家や建物に影響を及ぼすような大きな地震は数十年に1回起きる可能性はあるかもしれませんが、台風は毎年数回訪れ、その度に強い雨風によって被害を与えていきます。そのため、家づくりでは台風に対しての対策も重要です。今回は「風」の力に対して耐える力についてご紹介します。

強風が建物に掛ける負荷

台風接近時、ニュース番組などで、リポーターの方が実況中継しながら飛ばされそうになっている場面をよく見かけます。台風被害の中でも特に風の被害が多く、土地状況や建物形状によって異なりますが、風速40m~50mの風になれば、約7トンの荷重が建物の側面に掛かっていることになります。これは荷物を載せた中型トラックの重量に相当します。とても大きな力が家全体に掛かり、私たちの知らないところで建物に大きなダメージを与えているのです。そのため、台風にも耐えられる家づくりが重要なのです。

具体的な耐風対策

建物を設計するにあたって、耐風対策は耐震対策と同じように、壁などで横からの荷重に耐えられるように設計します。ただ、一般の方には分かり辛いものですので、分かりやすい基準として「耐風等級」というものがあります。

耐風等級は1~2まであり、最高等級(ランク)が耐風等級2です。耐風等級1はいわゆる建築基準法を満たしたレベルと言われており、耐風等級2は500年に一度発生する暴風(伊勢湾台風の名古屋気象台記録)の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊せず、50年に一度発生する暴風(1991年19号台風の長崎気象台記録)の1.2倍の力に対して損傷しない程度とされています。

お客様に耐風等級のお話しをさせていただく際、「耐震等級3であれば多少の風にも耐えれらるだろうから大丈夫!」と考えている方もいらっしゃいます。もちろん耐震等級がゼロの建物よりも、耐震等級3の建物の方が風に対しても多少は強くなります。しかし、耐震等級3は満たせても耐風等級2は満たせていない建物もしばしば見られます。そのため、家づくりをお考えの際は耐震等級と耐風等級はセットで検討されると、より安心して家を建てることができます。

最近は台風ではない時でも台風並みの風が吹くこともあります。安心して住み続けられる家を建てるためにも、家づくりの際には地震だけでなく風についてもしっかりと考えながら家づくりを検討されることをおすすめいたします。

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