間取り・住まい方 | 2020.02.23 近年、ご結婚やご出産、実家の老朽化などで「実家を建て替えて住む」という選択肢を選ぶ方も増えてきています。そこで、実家の建て替えを検討される代表的なケースと、実家を建て替えるときに知っておくべきことをそれぞれ2つご紹介します。はじめに、実家の建て替えを検討される2つの代表的なケースをご紹介します。家族構成や家庭の状況によって異なるかと思いますが、建て替えを検討しているという方は参考までにご一読ください。次に、土地購入後に家を建てる新築とは異なり、建築費用以外に必要となる2つの大きな費用についてご紹介します。建て替えは土地購入費用が掛からないことが大きなメリットと言えますが、建て替えならではの費用が必要となりますので、参考までにご一読ください。※写真は実際に建て替えされた建築実例「SHY-house 土間リビングの家」です。 代表的なケース【1】空き家実家の建て替えで一番多いのは、どなたも住んでいない、使われていない家=空き家のケースです。住む人がいなくなった家は、老朽化もぐっと進んでしまいます。そのまま放置すると物騒ですし、不審火などの心配や建物の管理にも気を使います。また、不法滞在などの犯罪の温床となるケースも少なくありません。極端に管理が不十分になった空き家に関しては、周辺の生活環境の保全を図るために所有者に必要な措置を取ることを勧告されます。それでも不適切な状態にある場合などは、固定資産税の住宅用地特例を解除することができる法律も施行されており、実質的な増税を課される可能性もあります。このような背景もあり、空き家を放置するよりも建て替えて自分たちで利用したり、売却や土地の有効活用をするという方が増えています。 代表的なケース【2】二世帯住宅もう1つは、ご両親がお住まいの実家を二世帯住宅として建て替え、親世帯と子世帯が同居するケースです。古くなった実家の建て替えと、子世帯の家、2軒をまとめて建てられるので、予算を抑えられることが大きなメリットとして挙げられます。お子さまが生まれた場合もご両親に援助してもらえたり、育児の手助けになることも嬉しいポイントです。また、高齢になったご両親が遠方にいると、何かあった時のサポートが遅れるなどの心配ごとも増えてきます。二世帯住宅を建てて一緒に住めば、いつでも様子が分かるので安心です。ご両親が高齢に差し掛かっている方は、建て替えによる二世帯住宅も視野に入れた検討がおすすめです。ただし、世代による生活習慣の違いには注意をしないといけません。二世帯住宅の場合は、起床や就寝時間、食事の内容など、生活リズムの違いによる不満やストレスが発生しやすい傾向にあります。そのため、キッチンや玄関を2つ設けるなど、お互いが不満やストレスを溜めずに済むプランづくりが大切です。二世帯住宅を検討する際は、ご家族全員でしっかりと話し合い、全員の要望を上手くまとめた家づくりが必要だと念頭においていただければと思います。ご家族だけでは要望をまとめきれない場合や、意見が合わないこともあります。そういったときのことを考えて、設計士にアドバイスを求められる環境で家づくりを進められることをおすすめします。 建て替えにかかる費用【1】解体費用建て替えの場合、既存建物の解体費用が必要です。大よその目安は建物の床面積1坪あたり4~5万円程度と言われています。ただし、この金額はあくまでも目安で、建物の立地条件(高低差や道の広さなど)や建物構造によっても金額は異なります。他にも築年数が古い建物でアスベストが使用されている場合や、庭の樹木や外構の塀などの撤去も必要な場合は別途処理費用が必要となります。 建て替えにかかる費用【2】引越し・仮住まい費用もう1つは、引越し費用と仮住まいの費用です。空き家の場合は必要はありませんが、人が住まわれている建物を建て替える場合は、注意が必要です。一般的な住宅ですと、解体から新居完成まで約6~7か月程度かかるため、その期間中は仮住まいが必要となってきます。そのため、住宅購入時の引越しは通常、新居へ移るときの1回だけですが、仮住まいへの引越しが必要な場合は、最大2回の引越しが必要となり、費用も2倍必要です。また仮住まいの家賃も家づくりの予算として考える必要があります。 まとめ土地を購入しての新築とは異なり、建て替えの場合は上記2つが大きな費用として必要です。それでも土地購入費用が浮くメリットは大きいのではないでしょうか。とはいえ、一世帯住宅より二世帯住宅の方が建物のボリュームは大きくなり、キッチンや玄関ドア、お風呂や洗面化粧台などもプランによって増えるため、建築費用自体は一世帯住宅よりも高くなるケースが多いです。そのため、リフォームとの比較も必要になるかもしれません。リフォームのメリットは予算に合わせたプランを組みやすいという点です。しかし、リフォームでは基本的に柱や基礎などの構造躯体を再利用するため、建て替えと比べて長持ちしません。リフォームと比較をする際は、費用だけでなく「これからここでどのくらいの期間住むのか」ということも含めて、検討することが大切です。メリットがたくさんある実家の建て替えは、土地を新たに購入して家を建てる案と合わせて、ぜひ選択肢の一つとして検討されることをおすすめします。住宅購入費用の大きな部分を占める土地代金が浮き、予算を他にまわせることはとても魅力があります。また、古くなったからといって実家を放置しておくと空き家として固定資産税が高くなる可能性もあります。当社では皆さまそれぞれのケースに合わせて、家づくりをサポートさせていただきます。後悔しない家づくりのためにもぜひ参考にしていただければ幸いです。